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2010/05/14
なつかしの人もいまだ現役。フランスの音楽事情【from Paris】
奮闘する中高年ミュージシャンに、新潮流「slam」
「Chansonシャンソン」といえば、日本ではエディット・ピアフなど少し前のフランス歌謡をさすが、フランス語でシャンソンというと、単に「歌」の意味に過ぎない。ロックでも英語の曲でもすべて「シャンソン」だ。フランスの歌謡曲は「Variété françaiseヴァリエテ フランセーズ」と呼ばれる。最近はロックやラップなどに押されぎみだが、フランス歌謡には悲哀のあるメロディー、人生をうたう深みのある歌詞など、中毒性の魅力がある。とくに美しい歌詞は、フランス語学習にもってこいの教材だ。
フランスの音楽事情を語る上でのひとつの特徴、それは、中高年ミュージシャンがいまだに現役、ということだ。筆者が渡仏して、音楽チャートを初めてみたとき、上位が中高年者ばかりでびっくりしたものだ。10、20代のアイドルやバンドばかりが目立つ日本とは対照的といえる。たとえばシャルル・アズナブールやジェーン・バーキン、シルヴィー・バルタンらがいまだ第一線で活躍中。「シェリーに口づけ」(1971年)で知られるミシェル・ポルナレフも、2007年に短期間だがカムバックした。国民的歌手でベテランロッカーのジョニー・アリディ(1943年生まれ)、フランスの歌姫ミレーヌ・ファーマー(1961年生まれ)なども、スタジアム級の大会場を満員にするほどの人気を何十年もキープしている。
もちろん、ベテランだけが頑張っているというわけではない。新潮流として「Slamスラム」と呼ばれるスタイルが注目されている。詞の朗読に音をつけたような音楽で、主にパリ郊外などの恵まれない若者を代弁する音楽としてここ数年盛り上がっている。ラップに似ているが、ノリよりも歌詞の内容や「韻」を重視するのが特徴。代表的アーティストには、幼少時の思い出などを詩的なイメージでつづるGrand Corps Malade(グラン コール マラド)や、社会的メッセージを前面に打ち出したAbd Al Malik(アブダル マリック)などがいる。言葉を大切にする、いかにもフランスらしい音楽といえる。 取材/宮方由佳
【視聴はこちら】
●ミシェル・ポルナレフ
●ジョニー・アリディ
●歌姫ミレーヌ・ファーマー
●Grand Corps Malade
●Abd Al Malik