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2010/02/25
フランスのほっこりメニュー【from Paris】
日本で言えば"鍋"
ほっこり気分で食すチーズフォンデュ
昨年の寒波といい、新年からしばらく続いた大雪といい、パリの寒さは厳しい。どんよりと暗い空の下、底冷えのする石畳を歩いていると、ああ、北にいるんだなあという思いにかられる。(写真は2月のRue Mouffetard)
「芯から冷える」という形容がしっくりくる寒い冬の夜、日本なら寄せ鍋やおでんが食べたくなる所だが、フランスでは"洋風おでん"とも評されるポトフが定番。あるいは、炒め玉ねぎとチキンブイヨンに、バゲットとチーズをたっぷりのせて焼いた、あつあつのオニオングラタンスープもカフェの人気メニューだ。
ただし、これらは個々の皿で供されるから、日本の鍋とは少し違う。みんなで温まるという意味では、やはりチーズフォンデュが一番近い。
このチーズフォンデュ、スイス料理と思われがちだが、雪深い仏サヴォア地方などでも食べられていて、油で肉を素揚げにするブルゴーニュ・フォンデュと区別するために、「サヴォア風フォンデュ fondue savoyarde」と呼ばれている。気になるお味は、ほろ酔いになるほど白ワインが利いている。ぐつぐつと湯気をたてる感じは見ているだけで温まり、寒さの厳しいこの地方にぴったりだ。
以前、サヴォアに住む友人の家を訪ねたとき、チーズフォンデュが夕食に出た。専用の細いフォークを使いながら、野菜やパンのかけらを溶けるチーズに浸すのだが、フォークが長すぎて鍋の中にパンを落としそうになる。ついに誰かが鍋の中にパンを落っことすと、家族全員が顔を見合わせ口をそろえて言う、「罰ゲーム!」。そんな調子で、皆でやいのやいのと言いながら、ほっこり気分で食すところも、日本の鍋と似ている。
取材/宮方由佳