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Update 2010/03/05
仏映画は「ハッピーエンドだけが人生じゃない」【from Paris】
パリジャンにとって、
映画はもっとも手軽な娯楽
3月18日から東京・六本木ではじまるフランス映画祭。今年は2008年のカンヌ祭パルムドール作品「パリ20区、僕たちのクラス(Entre les murs)」や、C.ドヌーブ、M.アマルリックなど名優が競演する「クリスマス・ストーリー(Un conte de Noël)」、フランス最大の映画賞セザールで作品賞、主演男優賞など9部門を総なめにしたばかりの「アンプロフェット(Un Prophète)」など、現代フランスの傑作が顔を揃える。さらに団長として、あのジェーン・バーキンが来日するとあって、まさにファン垂涎のプログラムだ。
フランス映画というと「暗くてわかりづらい」と、評する人も少なくない。派手なアクションは少なく、胸のすく大団円のラストもない。ハリウッドの大作とは対極にあるといってもいい。その代わり、リアリティと人間味あるキャラクター、そして粋なやりとりがある。もちろんフランスでもハリウッド映画やディズニー映画のファンは多い。しかし、それにも増して社会派映画やドキュメンタリーの人気が高い。ハッピーエンドだけが人生じゃない。それがフランス映画の醍醐味なのだ。
他方、フランスでは日本映画の愛好家も多い。古くは溝口健二、黒澤明、小津安二郎、現代なら北野武や宮崎駿らが人気だ。彼らの名はフランス国内で広く浸透しているため、名字が「北野」や「黒澤」なら、この国では間違いなく、「親戚?」と聞かれるはず。
ちなみにフランスの映画館の入場料がどれくらいかご存知だろうか? だいたい8ユーロ程度。日本と比べてかなり安い。学生やシニア、映画週間にはさらに割引されるため、若者にとっても大人にとっても最も手頃な娯楽だ。映画の後、興奮覚めやらぬようすで議論を戦わすパリジャンをカフェでよく見かける。また、パリ近郊には300近い映画館があり、個性的な独立系ミニシアターも多い。パリはまさに映画天国なのだ。
取材/宮方由佳
(写真上)パリなどにある映画館の大手チェーン「Gaumont」。(写真下)パリには個性あふれる映画館がたくさん。写真は劇場風のバルコニーを持つ老舗映画館「Max Linder」。
【映画祭概要】
フランス映画祭2010
日時:3月18〜22日(レッドカーペット&オープニング上映18日、一般上映19〜22日)
場所:TOHOシネマズ 六本木ヒルズ